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「うわぁ!」
いつもと変わらないベッドの上で春風 隼人は目覚めた。黒髪を掻きながら黒の瞳で壁をみる。
あれ?壁がある…白くない!
そんな当たり前のことを思いつつ、昨日見た夢を隼人ははっきりと思い出していた。
「こんなにはっきりと覚えてるなんて。珍しいなぁ…光山魔術学校か夢に出てくるほど入りたいんだな俺は…」
隼人はあまり勉強は得意ではない。しかし、光山魔術学校に入学したいために半年ほど前から死ぬ気で勉強していたのだ。
勉強のしすぎかな?そんなことを思いながら居間に向かうため部屋をでて、階段を下りた。
「おはよ。母さん、姉ちゃん。」
「おはよう!隼人!」
元気な声であいさつしたのが隼人の母である春風 はるみ。
「おはよー…」
今にも眠りそうなたるみきったあいさつをしたのが隼人の姉である春風 椿だ。
「日曜日なのに姉ちゃん起きるのはやいな。」
「母さんが起きろってうるさいのよ。」
少し不機嫌そうな椿が朝食のパンを食べながら言う。
「そりゃそうよ!なんたって今日は、隼人の合格祝いなんだから!!」
子供ようなの笑顔で言うはるみ。
「母さんボケたの?まだ試験も受けてないのに合格なんてさ。」
母さんも夢でもみたのかよ?やっぱり親子だな。と思っていると
「隼人はまだ知らないもんね。光山魔術学校の合格条件は夢をみること。あんた昨日みたでしょ?」
さらっと意味のわからないことを言う姉。姉ちゃんまでいかれたか。すると心を読んだように
「悪いけどね私はいかれてません!あんたは合格したの!夢に出てきた人は私達の学校の校長だしね。」
「もしかして本当なのか?」
隼人が二人の顔を見ると二人は頷いた。
「やっ…やったぁ!!」
現実を理解し家の床が抜けるんじゃないかというくらいに飛び回る隼人。その光景を二人は笑いながら暖かくみていた。
ようやく喜びが収まった隼人は朝食を食べている。
「なんで姉ちゃんは俺が夢を見たってわかったんだ?」
「あんたの部屋から魔力を感じたからよ。」
テレビを見ながらケツを掻いて答える姿はすでに高校2年生ではない。
「あんたも私とおんなじ学校にはいるんだから少しは私を見習いなさいよ。」
そんな格好したやつのどこを見習えば!?と思いながら隼人の頭は学校や魔法の事でいっぱいだった。
でも半年間の俺の勉強って…
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