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「え、えぇ。翔は友達の所に遊びに行ってまだ帰って来ていないのよ……」
「…………なに?」
父さんがスーツを脱ぐの手を止めて、母さんに詳細を聞いた。
「どういう事だ? 翔の門限は7時の筈だろ? もう1時間30分も過ぎてるじゃないか!」
父さんは怒鳴って、母さんに聞いた。
「それが翔の友達の所に電話をしてみたら、6時30分にはもう家を出たって言っているのよ……あなた、どうしよ……」
母さんは弱々しき父さんに聞き、その場で床に腰をつけた。
「桜……大丈夫だ! 警察に捜索願いを出そう! それから、知り合いにも連絡をして一緒に探してもらおう!」
「えぇ! そうしましょう!」
父さんと母さんは頷き合って俺の方を見てきた。
「大我、父さん達は今から翔の事を探してくる。だから、大我は大人しくここで待っているんだぞ? できるか?」
父さんは膝を曲げ、目線を合わせてきた。
「うん! その代わりゲームしてていい?」
「ああ、いいぞ!」
父さん達は俺の頭を撫でて、家から出ていった。
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