第三章 過去

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「え、えぇ。翔は友達の所に遊びに行ってまだ帰って来ていないのよ……」 「…………なに?」 父さんがスーツを脱ぐの手を止めて、母さんに詳細を聞いた。 「どういう事だ? 翔の門限は7時の筈だろ? もう1時間30分も過ぎてるじゃないか!」 父さんは怒鳴って、母さんに聞いた。 「それが翔の友達の所に電話をしてみたら、6時30分にはもう家を出たって言っているのよ……あなた、どうしよ……」 母さんは弱々しき父さんに聞き、その場で床に腰をつけた。 「桜……大丈夫だ! 警察に捜索願いを出そう! それから、知り合いにも連絡をして一緒に探してもらおう!」 「えぇ! そうしましょう!」 父さんと母さんは頷き合って俺の方を見てきた。 「大我、父さん達は今から翔の事を探してくる。だから、大我は大人しくここで待っているんだぞ? できるか?」 父さんは膝を曲げ、目線を合わせてきた。 「うん! その代わりゲームしてていい?」 「ああ、いいぞ!」 父さん達は俺の頭を撫でて、家から出ていった。
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