第三章 過去

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俺は振り返り母さんの方を見た。 母さんは見た感じでは外傷はなかった。 俺は疑問に思い、近くにいた医師に聞いた。 「……母さんは……どうしたのっ……?」 声が震えた。 真実を知るのが怖かったのかも知れない。 知った後に自分がどうなるかが予想できない……。 しばらくの沈黙の後、医師は口を開いた。 「……君の母さんは、内蔵がいくつもやられている。……もう既に手遅れなんだっ……!」 医師は悔しさの余り顔を背け俺を見てられなかった。 「…………何それ?……」 しかし俺は医師の言葉に関係なく、目を見開き怒りを露にしていた。
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