第三章 過去

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「……ゴメンね? ……大我……」 俺は言っている意味が掴めず、首を傾げた。 「……これから、母さんと……父さんッ……、……が……居なくなる……けど……翔と2人で……がんばッ、れる……?」 母さんはいっぱい涙を流しながら聞いてきた。 俺はこの時にやっと確信した。 母さんは助からない、と。 だから、せめて最後ぐらいは心配をかけまいと、笑顔を作り母さんの質問に答えた。 「……母さん、大丈夫だよ! ……翔兄ちゃんと頑張って生きていくよ……?」 俺の声は涙声になり、聞き取りづらくなっていたが、母さんには伝わっていたようで頷いてくれた。 「……あと、大我……。なんで、大我って……名前に……したか……教えましょう、か?」 俺は無言で頷いた。
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