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「そっか……、母さん。今までありがとう」
俺は自然と笑顔になっていた。
頬には涙の通った後が綺麗に輝いていた。
「……どう、いたしまして……」
母さんも返事をして、綺麗な涙を流した。
「……それじゃあ、大我……」
「……グスッ……うん……」
「いってきます」
「いってらっしゃい」
俺がそう答えた後に機械音が永遠と鳴り響いた。
その音は俺の心まで響いて、俺は耐えきれずに立ち尽くしたまま声を出さずに泣き出した。
俺の頬を伝って落ちた涙は、握っていた母さんの手の上に落ち、そのまま流れて行き、母さんの指に填まってある結婚指輪に当たった……。
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