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「はぁ」
「どうした?ため息をつくと幸せが逃げるぞ」
雨上がりの学校の帰り道。
いつもの様に俺、東条 悟(とうじょう さとる)は友人の神宮寺 裕(じんぐうじ ひろ)にナイスなアドバイスをする
「お前の補習を手伝わされて疲れてるんだよ!」
裕のパンチをなんとか避けて、とりあえず弁解をする
「気にするな」
ドスッ!
「ぐぇ!?」
今度は避けきれず綺麗に俺の鳩尾に裕の拳がめり込んでいた。
俺はその勢いに耐え切れずに尻餅をついた
「そうか…。そんなに死にたいのか…。」
その言葉を聞いた瞬間凄い殺気を感じた俺は足を動かし尻餅の姿勢のまま壁際まで下がった
しかし、裕は追うように指をポキポキ鳴らしながらゆっくりと幽鬼の如くこちらに歩いて来る。
歩くたびになる水の音がさらに恐怖を掻き立てる
「(…ヤバイ。……かなりヤバイ)」
俺は頭をフルに回転させ素晴らしい弁解を述べた
「え~と。裕、勘違いしてるようだから言うが俺が言いたいのは「お互い貸し借りなしにしよう」ってことだ」
「どういうことだ?」
裕は振り上げた拳を下げて聞いてきたので、俺は心の中でガッツポーズをしながらさらなる弁解を言った
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