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「は、薄情者」
「裕、俺のために死んでくれ」
グッと親指を立てて扉に吸い込まれるのを道路のわずかな隙間に指を入れて粘る裕を見送る(見捨てる)
「この~~!」
裕は片方の手で道路のマンホールの隙間に指を入れ踏ん張り、もう片方の手で傘の先をもち手で持つ部分を電柱に引っ掛けようと振り回した
「お前の事は忘れないよ」
そう言って裕に別れの言葉を告げると、扉から離れていたため吸い込まれるのになんとか耐えれたので、そのまま扉から回れ右をして扉から離れようとして
「ぐおっ!?」
---盛大にコケた
足に変な感触がするので、恐る恐る足をみるとその理由に納得した
裕(いけにえ)が振り回していた傘がよりによって俺の足に引っ掛かっていたのだ
………ウソん
「あ、ゴメン」
そう言った裕はもう全身浮いてるわけで
………終わった
俺はそのまま裕もろとも扉に吸い込まれた
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