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「……っは、また、あの時の夢…」
私はそう呟いてベッドからおりた。それから私は、いつものように服を着替え、左目に眼帯をし、朝ご飯を食べ、家を出た。
私の両親は海外で仕事をしていて、私は1人暮らしをしている。生活費は毎月十分すぎるほど送ってくれるので困っていない。
(でも、こんなに送ってくれるってことは、やっぱり…)
そう、いくらお金が送られてきても、手紙が送られてくることはない…電話がかかってくることはない…
それはきっと、この左目が原因だろう…
私の左目は私が6歳の時に奪われた。私はその時の状況を両親に話したが、信じてもらえるどころか逆に恐がられてしまい、両親は私と距離をおいている。
そして私は、左目を奪われたその日から、その時の夢を見るようになったのだ。
「私…右目も奪われちゃうのかな…?」
そう、今日は私の16歳の誕生日…そして、私の左目を奪った男は私が16歳になったら右目を奪いに来ると言った。
「この右目は守らないと」
私はそう決心して、高校への通学路を進んだ。
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