はじまりのうた-2

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ドンっ!と扉が壊れるような音がするとぞろぞろといかにも悪党です、というような奴らが入って来た。 宴会騒ぎだった店内は一気に静まり返った。 リーダーっぽい奴がつるのさんの隣に立ち、 「俺達にも酒くれよ」 と言うとすぐにまいが返した。 まいも多分こういう客には慣れてんだと思う。 「あ、ごめんなさい…。今お酒はきらしてて…」 「ん~?じゃぁ、コイツ等が飲んでんのは水か?」 「いえ、ですから今出てるので全部なんです」 そいつは一気に機嫌が悪くなり顔をしかめると店内に響くぐらい大きな舌打ちをした。 「悪いね~…ボキのとこが全部飲んじゃったみたいで。だったらこれあげるよ。まだ開けてないし」 と、つるのさんは言うと手に持っていたお酒をそいつに渡した。        
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