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パリーン!という音がしたと思ったらつるのさんがビショビショに濡れていた。
その時俺はカウンターに置いてあったデザート(すんげーまずかったけど)を食べてたから状況が分からなかったんだけど、
まいが慌ててつるのさんに駆け寄ってんのは分かった。
「あちゃー…、ごめんね?まいちゃん。なんか拭くものある?」
「あ…!いいですよ、そのぐらい私が…」
まいの言葉に掛かるようにまた割れる音がした。見るとつるのさんの近くに皿が落ちていた。
きっとアイツが皿を割ったんだろう。男を見るとニヤニヤしながらつるのさんを見下していた。
「掃除が好きならこのぐらいやった方がやり甲斐があるだろ?」
くそ…!今に見てろ!つるのさん達は怒ると恐ぇーんだから。
でも一向につるのさん達が怒る気配はない。なんでだよ!なんで、やり返さねーんだよ!
「腰抜け共」
つるのさん達にはヤる気がないと思ったのか毒言を言いながら出て行った。
出て行ってしばらくして、
「……っく
…はっはっは!!!」
「「「「あっはっはっはっは!」」」」
つるのさんを先頭に皆笑い出した。
「お頭格好悪ぃ~!」
「腰抜けだとよー」
皆つるのさんを馬鹿にしたりしながら笑ってる。つるのさんもつるのさんで全然怒ってねーし…
意味わかんねぇ、何で馬鹿にされて笑ってんだよ!悔しくないの!?
「なんでやり返さないんだよ!」
心の中で思っていた事が思わず声に出してしまった。
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