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「私は主人のために生まれました。私の鉄は彼の骨に、私の鎖は彼の肉に、私の油は彼の血に、私の決断は彼の心に捧げております。が、一つだけ、彼は、私ごときでは何も捧げられぬものを持っておられます。
涙。……それに対しては、感情のない私には返すものがありません。ゆえに、私は主人の涙を欲しません。欲するは涙滴不要の結果のみ。
骨には鉄を、肉には鎖を、血には油を、心には決断を、そして涙には―――無欲を。」
Sf
出典 終わりのクロニクルより
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