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一人では
愛してる証さえ曖昧で
切ないだけ
二人では優しく見守ること
続けられない
―――
結局一緒にお茶することにした
「あの…何があったのか、話してくれませんか?」
「……。」
予想はしてたものの
何て答えていいのかわからない
そんな俺を見兼ねてか
彼女が再び口を開いた
「…すいません。でも…話したらすっきりすると思うんです。無理にとは言いませんけど」
「……実は…」
何故かわからない
初対面なのに
今まで誰にも話そうと
思わなかった事を
その女性に話した
さよならは俺から告げた
自信がなかったから…
友達の時は
普通に話せてたのに
恋人同士になったら
何を話していいのか
わからなくなった
茅鶴も少し居心地が悪そうだった
だったら…
友達に戻ったほうがいいと思った
だけど現実は
そんなに甘くはなくて…
友達に戻ったら
前以上に気まずくなった
そして茅鶴はこの街を出た
だけど俺はまだ
茅鶴の事が好きなんだ…
あいつのあの時の
強がった笑顔が
今も頭に焼き付いて離れない
何度戻りたいと思っただろう
そしたらもう君を
手放したりしないのに
今でも
もういない君の面影を探してる
「そうだったんですか…」
「バカですよね…」
一番大切な人を傷付けて
自分も傷付いて…
全てが空回りだ
「そんなことない…」
「え?」
「わかります。その気持ち…皆同じだと思います」
「そうですかね…」
「それにそんなに愛されて、茅鶴さんも幸せだったと思います。」
「……ッ」
何故かこの人の言葉は
心に響いた
スーッと俺の心に入ってきた
不思議な人だ
まるで茅鶴のよう…―
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