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とっておきの言葉を
熱く甘い言葉を
君が欲しがってるなら
もう少し待っておくれよ
今はせめてこうして
できるだけ等身大で
いつもの喋り言葉で
伝えていきたいんだよ
――――――
「颯斗、私の事愛してる?」
「は?」
カラオケで俺が歌い終わり
次の曲を選んでいると
いきなりそんな事を
聞いてきた紗穂
思わず俺は素っ頓狂な声で
聞き返してしまう
だって…なぁ?
「だから!私の事愛してる?///」
今度は恥ずかしそうに言う
きっとさっきのは
勢いに任せて言ったのだろう
その証拠に…ほら…
見る見る顔が
真っ赤に染まってく―…
「あぁ」
「……。」
そう答えると
不満そうに顔を背けた
「何だよ?」
「別にッ」
プイッと拗ねたような仕種をする
なぁ…本当はわかってるんだ
お前は肯定の言葉が
欲しいんじゃなくて
"愛してる"って
言葉が欲しいんだろ?
だけど照れ屋な俺は
まだその言葉が言えない
お前が明確な言葉を
欲しがってるなら
ちゃんとあげるから…―
だから…
「ごめん―…もう少しだから」
もう少し待って?
その代わり今は――、
.
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