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時はきっと 僕の中の
引き出しから君をさらって
あの温もり あの優しさ
あのときめき
行かないで どうか 行かないで…
夢中で駆けた 二人のページから
君の思い出ばかり 溢れ出て
そっとそっと 扉を開ければ
あの日 あの時と同じで
────
悲しい思い出に浸っていたオレは
ふと引き出しに目を向けた
そしてその中から
ある物を取り出して
あの公園へ向かった
公園へ着くと
あの頃のようにブランコに座る
「夏歩…」
夜空を見上げれば
あの頃と全く変わらない星たちが
キラキラと輝いていた
ただ違うのは
いつも隣ではしゃいでいた君が
いないってことだけ
だけどそのせいで
こんなにも夜空が嫌いになる
空を見るのが嫌になって
オレは隣に置いた物を見つめた
あのアルバム…─
パラパラとめくれば
懐かしい二人の笑顔
そして懐かしい文字
何も変わっていない、
あの頃見た物と…
もう写真が増えることはない
わかっているのに…
何故こんなにも悲しいのだろう
「夏歩…ッ」
呟いた瞬間
ブワッと強い風が吹いた
暖かくて優しいその風の中に
一瞬夏歩の笑顔を見た気がした…
風が完全に消えると
もう一度オレは手元に
視線を落とした
「…!!こ、れ…」
そこには今まで見たことのない
ページが開かれていた
見た瞬間涙が溢れ出す
アルバムをギュッと握り締め
ひたすら夏歩を想う
「かほ…ッ」
そこには高校時代
まだ夏歩が元気な頃の
二人の写真と
夏歩からの一言
『精一杯生きた証のような恋でした』
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