ほうき星

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翌日―… 今日は雨… だけどね もう雨は嫌いじゃないわ あなたのあの言葉 今でも覚えているよ 『雨の後は星が綺麗に出る。それを考えると雨も好きになれるよな』 素敵な考えだと思った そんな考えができるあなたは とても素敵な人だと思った 「今日も…雨だね」 「だな」 そんな考えを持つあなたは 今日は隣にいる いつもは安心するこの空間 だけど今は居心地が悪い 「ねぇ…何かあった?」 「…何で」 一瞬目を見開いて… でもすぐに 平然を装うあなたが悲しい 「何となく…」 そんなあなたに あたしは何も言えなくなる 「…何でもねぇよ」 「そっか…」 ねぇ?知ってる? あなたは悲しいとき 決まって夜空を見るの あたしはそんなあなたを 笑顔にしたい 「笑ってよ…―」 あたしの呟きは 雨の音に掻き消されてしまう あたしは何もできないけど いつもきっと傍にいるよ あなたが辛いとき 一緒に悲しむことはできるよ 辛いときは すぐに駆け付けるよ そして もし…あたしがほうき星なら 一番輝いて あなたに元気をあげよう あたしはあなたの心の ほうき星になるよ あなたの心に 光を点すよ
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