Lovers again

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初雪にざわめく街で 見覚えのあるスカイブルーのマフラー 振り向いた 知らない顔に俯く あの人が部屋を出てから この退屈な街に二度目の冬 僕はまだ想いの炎 消せずに燻ってる ―――― 今日はクリスマス 雪も降っていて 回りはイルミネーションで飾られ キラキラしているはずなのに 俺の目には色褪せて見える 周りを見渡せば 恋人たちが幸せそうに笑ってる そんな風景に 嫉妬している俺は なんて醜いんだろう… 「…茅鶴」 無意識に呟かれる愛しい名前 もう二年も前の事なのに 俺はまだ一歩も 前に進めていない バカだな… 俺は自嘲気味に笑って顔を上げた すると… 「!!」 あの日 茅鶴がしてたマフラーと同じ スカイブルーのマフラーが目に入った 「…ち…づる?」 帰ってきたのか? 「茅鶴!!!」 思わずその細い腕を掴む 「へ?」 しかし振り向いて 見えたのは知らない顔 「あ…すいません…」 失礼だとわかっていても 落胆の色が隠せず俯く 「いえ…あの…」 しかし、その女性は そんな事は気にせず 声を掛けてきた 「はい?」 「大丈夫ですか?」 「へ?」 いきなり何を言うんだ 意味がわからず 俺はまじまじと その人の顔を見る 「あ…何か寂しそうだったから…」 「…そうですか…」 そんなに顔に 出ていたのだろうか? 初対面の人にまで 心配されるなんて… 「あの、今暇ですか?」 「まぁ…」 これといった用事はないので 素直に答える 「なら、お茶でもしませんか?」 「は?」 あまりに突然の誘いに驚く 「あ!嫌ならいいんですけど…ッ!!」  
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