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―――…♪
レシピ通りに作っていると、電話が鳴った。
(…湊?)
「はい、小暮…」
「ソヨギ?あのね、今日少し遅くなりそうなんだ」
遅くなる…
チョコレート作りには好都合、でも。
「分かった。……はやく帰ってきて、な…?」
「超特急で!今すぐ、ソヨギの耳がかじりたい」
「え…」
(耳をかじる?)
「じゃあ、また後でね」
受話器をおくと、しばらく放心
(……聞き間違えたんだよ、な)
変態すぎる恋人に頬を染めるソヨギは、十分に開発されているのかも知れない。
◇◇◇◇◇◇
「……ッ…」
ソヨギは、感動していた。
出来上がったトリュフは、とても見栄えがよく…所謂、自画自賛だけど。
これなら、湊にあげられる。
すごく嬉しくて。
チョコレートを包装すると、とけないように冷蔵庫に入れた。
パタリ、と冷蔵庫のドアを閉めると湊の帰宅を待つだけだ。
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