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―――…♪
習慣となった結城の来訪は、すでに何の新鮮さもない。
新しいマンションに引っ越してから、何度目かすら分からないその呼び鈴には、2人とも呆れを通り越して自然になっていた。
「はいはーい」
湊に出てもらい、ソヨギは結城の分の食事を用意する。
来ないことの方が珍しい彼は、来ない日には連絡がくるようになった。
「今日はなに…」
「ハンバーグだよ。僕お手製の」
湊が作ったとなるとスリルがある。以前は、カレーにスパイスが増量させてあり酷いめにあった。
ゴクリ、と唾を飲み込むと、結城はハンバーグをひとくち口にした。
ふわりと感じる肉汁の味に驚く。
「……湊、まともな料理できたんだな…」
「…結城?」
「なんでもねぇよ…」
(怖っ!!)
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