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―――…翌日
珍しく仕事に行った湊に驚きつつ、ソヨギは作戦を立てた。
チョコレートの作りかたなんて知らないから、午前中は本屋にでも行って料理本でも買い…材料をそろえて午後から作り始める。
こんなとき、一緒に住んでいると何かと不便だ。たいがい相手の行動は視界に入るし、無視できない。
(チョコレート、か…)
湊ならチョコレートを使ったプレイなどを要求してきそうだったが、それもないようで。
(不気味だ)
いつもなら、イベントごとには過敏に反応していたのに。何故、バレンタインには反応しないのか。
「……よし、」
◇◇◇◇◇
本屋では、予想外な展開が待っていた。
見渡す限り、女、女、女。
バレンタイン当日になって本を購入するのはどうかと思うが、自分と同じような人間が他にもいたのだと、ソヨギは密かに安心した。
きっと彼女等は、何らかの事情があって、今日までにレシピを用意できなかったのでは…。少なくとも、バレンタインそのものは知っているだろう。
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