1431人が本棚に入れています
本棚に追加
「叶さん・・・!」
叶あやねが、連れの女子生徒とともに、角を曲がって階段を上ってくるところだった。
「いーけないんだ、いけないんだ。
佐伯がC組の女子、襲ってるぅーっ」
前にいたツインテールの女子が、信二らのほうを無遠慮に指差した。
信二は急いで清海から手を離した。
「違うから! その・・・川瀬さん、――叶さん!」
後ろにる叶は、宇宙人を見るまなざしで信二と清海を見ていた。
「へぇ~~、ふぅ~~~うん」
吹き寄せてくる極寒の雰囲気に、信二はなんとか叶を説得しようとした。
「叶さんっ、違うからね。
僕の言うこと聞いて・・・。
この小寺さんが階段から落ちかけたから、僕は助けようと思って」
「うん」
叶は無機質な、きれな顔をして微笑んだ。
「よくわかった。近づかないで触らないで変態」
「全然わかってないいいいいいいっ」
最初のコメントを投稿しよう!