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動悸とともに、どっどっどっと汗が流れおちる。
本当に危ないところだった。
信二は動作を硬直させ、足をふんばり、全身の力をふりしぼった。
そろそろと、できるだけゆっくりと、清海の両足を踊り場へ降ろそうとした。
何が地雷だったのか。
今は、わからない。
そのとき、清海はばたばたと手足を動かしたのだ。
「ひゃぁんっ! 変なトコロ触らないでっ」
ぎょっとしたのは清海以上に、信二だった。
「暴れないで、危ないから――」
舌が途中で凍りついた。
かつん、かつん。
下から階段を上ってきた、生徒の足音が止まった。
「そこで・・・何、やってるの・・・?」
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