断り

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「叶さん・・・!」 叶あやねが、連れの女子生徒とともに、角を曲がって階段を上ってくるところだった。 「いーけないんだ、いけないんだ。 佐伯がC組の女子、襲ってるぅーっ」   前にいたツインテールの女子が、信二らのほうを無遠慮に指差した。 信二は急いで清海から手を離した。 「違うから! その・・・川瀬さん、――叶さん!」 後ろにる叶は、宇宙人を見るまなざしで信二と清海を見ていた。 「へぇ~~、ふぅ~~~うん」 吹き寄せてくる極寒の雰囲気に、信二はなんとか叶を説得しようとした。 「叶さんっ、違うからね。 僕の言うこと聞いて・・・。 この小寺さんが階段から落ちかけたから、僕は助けようと思って」 「うん」   叶は無機質な、きれな顔をして微笑んだ。 「よくわかった。近づかないで触らないで変態」 「全然わかってないいいいいいいっ」
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