縁切り

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小寺清海と、叶あやねが信二に気があるかどうかなど、語り合うつもりは毛頭なかった。   ところが、清海は簡単に信二を離すつもりがなかったようだ。 「信二くーん、可哀相だから、ちょっとはあの子のこと、相手にしてあげなよ。 余裕ないんじゃない?」 「君さ、もう戻ったら?  ファンクラブのみんなが待ってるんじゃないの?」 信二は早く会話を終わらせようと、言葉尻を鋭くした。 清海は唇をとがらせた。 「そりゃあの子、なんつーか、地味だけどさ。 千奈美と比べらりゃたいていの子はそうじゃない」 地味。
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