586人が本棚に入れています
本棚に追加
倒れている人物の体に手を置き、死んではいないかと確認をする銀時。
その人物は息をするように上下に体を揺らし、そして散らばった長い髪を銀時は掻き分け首もとに手を当てる。
(脈はまだあるな……)
けれどどの位この寒気の中にいたのだろうか。
触れてみた手は冷たく、このまま放置していたら凍傷してしまうかもしれないと危惧する。
銀時はそう考えた末その人物を起こす事にした。
「おい、アンタ大丈夫か?」
ユサユサと体を揺すってみる。
「……ん」
「ああ、良かった。意識があるみたいですよ!」
反応を示した人物に嬉しそうに笑う新八を横目で見ながら、銀時は続けて体を揺らした。
「アンタこんな所で寝てたら風邪ひくぞ。寝るんならもっと暖かい所で寝たらどうだ?」
幸い意識を取り戻したその人物は銀時の呼び掛けに声を上げる。
しかしその声を聞いた銀時は瞬間、我が耳を疑った。
「……わ、私は……」
「……え……」
ピクリと肩を揺らす銀時に気付く事なく、その人物はゆっくりと傷付いた体を起こした。
最初のコメントを投稿しよう!