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「……銀時、今はまだ混乱しているかもしれません。だから順を追って説明しますね。でもここでは寒いからどこか暖かい所で話しましょう。君達、どこか暖かい場所を知りませんか?」
松陽はそれまで二人のやり取りを眺めて、呆けていた新八達に声を掛ける。
そこでハッとした新八は思い付いたようにポンッと手を叩いた。
「そ、それなら万事屋でいいですよね!」
「万事屋、ですか?」
松陽はキョトンとした表情で頭上にハテナマークを浮かべて見せる。
「はい!僕達と銀さんが経営している何でも屋です!」
新八がスナックお登勢の二階の柵に掛けてある“万事屋銀ちゃん”と書かれた看板を指差す。
松陽はその仕草に釣られるように万事屋を見上げた。
「ほー、銀時は何でも屋を営んでいるのですか」
見上げていた視線を銀時に戻したら、無防備な銀時の頭に大きな手を置いた。
「銀時も立派に自立できるようになったのですね。偉いですよ」
頭を撫でながらニコリと笑う松陽の笑顔に銀時は胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
ああ……もし本当に目の前にいる貴方が貴方だとしたら、俺は素直に喜ぶべきなのでしょうか。
自分に背負わせた咎を、下ろしてもいいのでしょうか?
【一章】了
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