二章

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「たま、こりゃ明日またアンタに雪掻きをしてもらわなくちゃいけないみたいだよ」 「心配いりません。様々な雑務をこなすのが私の仕事ですから」 ニコリと微笑むたま。 以前客で来た人間の内の一人がたまを見て「機械みたいな奴だ」と言った。(もちろん機械でできてはいるのだが) そんな冷徹とも取れる客の言葉にお登勢は眉間に皺を寄せて、酒瓶で頭を殴ってやりたい衝動に駆られた事がある。 無論未遂で終わったが。 お登勢から見ればたまはたとえ機械で造られた人形だとしても、その冷たい体の中には暖かな心があると思っている。 その証拠にたまが一度笑えば店の客達は皆一様に笑顔を飛ばすのだ。 あの銀髪天パの男もそうだ。 だからお登勢はたまの笑顔が決して冷たい機械で作られた笑顔ではないと思っている。 「……お登勢様?どうかしましたか?」 「いや、なんでもないよ」 たまの気遣う言葉を嬉しく思いながらふと万事屋に視線を向ける。 その拍子に指に挟んであった煙草の灰が雪を掻いた地面に落ちた。 「そういや、あれからどうしたんだろうね。あの馬鹿は」
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