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「銀ちゃん……?」
神楽の心配した声が銀時に掛かるがそれでも銀時は俯いたまま口を開こうとはしなかった。
「銀さん……」
(やっぱり……銀さん、なんだかおかしいな)
新八が銀時の様子に神楽と同じく心配をしながらも、取り次ぐように松陽に話し掛ける。
「……えっと、松陽さん……でしたっけ?」
「……ああ、私も自己紹介がまだでしたね。はい、私は吉田松陽と言います」
色素の薄い髪と同じ瞳で松陽が新八に向き直り見やる。
「とりあえずお茶でもどうぞ。あんな雪の中にいたから寒かったでしょうから」
「これはこれは、本当にありがとうございますね」
礼儀正しく頭を下げ湯飲みに手を伸ばす松陽。
新八もその動きを目で追った。
(あ……茶柱が立ってる)
ふと視線の先で茶の中に浮く一本の小さくて細い茎が目に留まった。
その事に松陽も気付いたのか、嬉しそうに目を細めながら茶柱が立つ湯飲みに視線を落とす。
「知っていますか?茶柱が立つとどのような事が起きるかを」
突然振られた問いに些か戸惑いながらも、新八は昔妙に聞いたそれを口にした。
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