二章

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「……先生なんですか?」 「はい、でも私としては君達のように家族と言える存在でしょう」 “家族”。 その言葉を聞いた瞬間、銀時が息を呑んだのが分かった。 そして新八は松陽の説明に少し胸の中が切なくなるのを感じた。 銀時は自分達以外の人間に家族と呼べる存在がいた。 それが血の繋がりがあるのかは分からないが、銀時の反応を見れば容易に大切な関係という事は知れた。 けれど銀時の顔は俯いていて分かり難いが、戸惑いの色を隠せていない。 いったいこの二人の間に何があったのか。 銀時の過去をあまり知らない新八にはやはり分からない。 銀時の想い。 二人の関係。 入り込む隙がないその仲に新八は僅かばかり悔しむように口唇をキュッと結んだ。 「……でも、松陽先生は……」 蚊の鳴くような声が三人の耳に届いた。 三人が声の主に視線を向ける。 その先には未だ俯いたまま誰とも視線を合わせない銀時がいた。 銀時の言葉の意味が理解できなかった新八と神楽だったが、松陽だけはその意味を理解した様子で苦笑した。 「銀時、貴方にはまだ理解しがたい事だらけですよね。それは今から説明します。新八さん、私がどうしてこのような身形で、刀を持っているのか……それが知りたかったのでしたね?」 「はい」 その返事の裏には銀時との関係も知りたいという思いを込めて。
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