二章

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「なっ……!!」 銀時の硝子を鈍器のような物で打ち砕く程の衝撃に、新八は思わず息を呑んだ。 死んだ? 今目の前で穏やかに微笑んでいるこの人が? 嘘なのではという疑念が驚く意識に呼び掛ける。 現に松陽はこうして三人の目の前にいるのだから。 だが銀時の震えを帯びた声と絶望に染める顔を見たら、嘘ではないという事が分かった。 「……死んだんだ……松陽先生は……」 項垂れる銀時の声は最後の方は殆ど聞こえなかった。 銀時が何に怯えていたのかは分からないが、絶望を表していた理由は理解できた新八。 再び俯く銀時を黙って見つめた後新八と神楽は松陽、いや目の前にいる人物の次なる返答を待った。 もし、この人物が何かの冗談で銀時の前に現れたのなら許さない。 自分達の大切な銀時の心の傷を抉るような行為をしたのだから。 見つめる、というよりは睨む形で松陽に目を向ける新八と神楽。 二人の視線と銀時の悲痛な言葉に松陽は浮かべていた笑みを消し、長い睫が伸びた瞼を伏せた。 「……銀時、信じられないかもしれませんが、私はあの時幕府によって処刑はされなかったんです」
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