一章

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神楽の指差す方向に視線を向ければ、万事屋もとい一階にあるスナックお登勢の前に何か白い塊のような物が見える。 (雪の塊か……?) と、銀時が内心疑問に思っているといきなり神楽がその塊の元へ走り出した。 新八と銀時が訝しむように顔を合わせると、白い塊の元でしゃがみ込んでいる神楽が二人に手を振り口を開いた。 「銀ちゃーん、新八!人が倒れてるアル!」 「え!?」 驚いたように大きな声を上げ、駆け出す新八。 どうやら神楽は離れたここからで人が倒れていると認識したらしい。 夜兎は戦闘力だけでなく視力もいいのかと、銀時はついつい敬服してしまう。 「……あ、本当だ!銀さーん!早く来てください!」 「……ったく、めんどくせぇな」 銀時はボリボリと自分の銀髪頭を掻くと、怠そうに二人と倒れている人物の元へ歩み寄った。 「……で、それは何?」 「見て分からないアルか!?人アルヨ!」 「そうですよ!人が倒れてるんですよ!?助けないと!」 「いや、そりゃ見て分かるけどよ。でもおめえ……」 冷たい雪の上に倒れている人物は、俯せに倒れているため顔を確認する事はできない。 けれど一つだけ分かる事がある。
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