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「やはり気付くのが遅すぎた。
こうなっては結界を復活させることはもはや無理。
ナオキ、お主が頼みの綱じゃ」
ポチがぼくを見上げて言う。
「頼み?」
そうだった!
ぼくはこの猫もどきに頼まれてこんな真夜中に神社へやってきたんだった。
「でも、ぼくはただの中学生だよ」
「桜木の血を引くお前にしか出来ないことじゃ」
「桜木の血?」
ポチがまたわけのわからないことを言い出す。
猫がしゃべったり、現実じゃない炎が神社を燃やしたり、ぼくの頭では到底理解出来ないことばかりだ。
それに加えて"桜木の血"?
ぼくの名字は確かに桜木だけど、それがどうしたって言うんだ。
「まだわからぬのか。
お主は、あの"花咲か爺さん"の子孫なんじゃよ」
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