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くっくっく、と猫にはまるで似合わない笑い声をあげ、ポチが笑う。
「お主はまるでわかっとらんようじゃのう。
お主は、あの"花咲か爺さん"の子孫なんじゃぞ?
この地の魔を鎮め、その功績により殿様から"桜木"の姓を賜った神木守(しんぼくもり)の一族じゃ。
例え燃え尽きたご神木であってもお主の力があれば……!」
ポチは鬼火に触れないように気をつけながらご神木の足元から灰を掬い上げる。
「試しにこの灰をわしにふりかけてみるがよい」
ポチが猫の小さな手のひらに載せた灰を差し出す。
ぼくはしゃがみこんでポチに視線を合わせると、恐る恐るその灰を受け取った。
「さあ、ふりかけるのじゃ!
花咲か爺さんが、佐吉がやったようにの!」
ぼくは眉唾ながらも心のどこかでワクワクするものを感じ、意を決して灰白色の粉を白猫にふりかけた。
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