ぼくと仲間と幼馴染

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  「随分待ったぞ、ナオキ」 階段を登りきり、鳥居をくぐったばかりのぼくに待ちくたびれたポチの声が飛んできた。 「学校なんだから仕方ないだろ」 「義務教育、じゃったか? 子供が皆学問を学べるようになったというのは素晴らしいことじゃの」 狛犬の上に座りこんだポチが遠くを見つめて言う。 「で、話って?」 ぼくはなんとなく恥ずかしい気がして、興味がないフリをしながら問いかけた。 「うむ、まずはこれを受け取れ」 ポチがぼくに小さな巾着袋を投げて寄越す。 中身は……昨日の灰だ。 ご神木は今も大きく枝を広げてそびえていると言うのに、この灰がご神木のものだというのはなんだか妙な気分だ。  
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