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「……出てこい。
下呂下朗(げろげろう)!
桐雨(きりう)!
椿茶衣(ちゅんちゃい)!」
ポチが呼び掛けると、藪の中から少しばかりサイズの大きい蛙、カマキリ、スズメがヒョコヒョコと姿を現した。
「よろしくたのんます、兄さん」
「あたし桐雨よ、よろしくねぇ」
「ボク椿茶衣! ヨロシク!」
各々がぼくに挨拶をする。
「こやつらはわしのような神獣ではないが、わしと契約することで従者となった妖じゃ。
昨夜のように灰を振りかけてみるといい」
喋る猫だけじゃなく、蛙にカマキリにスズメ。
これでバンドを組むっていうの?
ぼくはクラクラする頭をなんとかなだめながら、2匹と1羽に灰を振りかけた。
校歌を歌いながら。
もちろん、ものすごくこっ恥ずかしい。
こんな姿を誰かに見られたら光速で病院に連れていかれそうだ。
ぼくがハァとため息をついた時、下呂下朗達を包む空気がゆらゆらと歪み始める。
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