ぼくと白猫

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  ぼくの住む町━━花坂市(はなさかし)は 、市とは名ばかりの大したことのない地方都市だ。 いや、都市というのは語弊があるかもしれない。 とにかく、小さい町なんだ。 ぼくの通う花坂第三中学校は、花坂市の中心地からわずかに西に行った小さな山のふもとにある。 山というほど大きな山ではないのに、町の人達はその山を花犬山とか爺様山とか呼んであがめている。 なんでも、花坂市はあの"花咲か爺さん"の発祥の地だとかで…… まあ、平成生まれゆとり世代のぼくにしてみたら眉唾な話だったんだけど。 話が少しそれたけど、その山には小さな神社があって、どうやらそこが例の花咲かじいさんの犬を祀(まつ)った神社だとかで、ご神木の立派な古い桜の木がそれはそれは大事にされているんだ。 毎年春には盛大な花見祭りも開催される。 この話は、ぼくがその花坂神社で出逢った不思議なやつのお話。 ちょっと不思議で、ちょっと不気味な、夢みたいなお話。  
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