ぼくと白猫

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  「そうじゃ、おぬしも"花咲か爺さん"の話は知っておろう? あれに出てくる犬がわしじゃ」 ……ああ、やっぱり。 そう来るかなーと思ってたんだよね。 「ま、あれは所詮人間に分かりやすいように伝わったおとぎ話じゃから色々細部は異なっておるがの。 そもそもわしは犬ではなく猫の化身じゃしのう」 「ええッ! 猫なのにポチ!?」 ぼくはそれまでなんとか受け止めようとしていた話に、ついツッコミを入れてしまう。 「まあ、そんなこともあるのかもしれん」 ポチはヒゲを揺らして豪快に笑った。  
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