ぼくと白猫

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  そういうわけで、ぼくとポチは真っ暗な夜の町を疾走していた。 深夜2時。 しかも3月。 ただでさえお巡りさんに見つかったら補導されそうなのに、驚くほどの寒さだ。 不審者に見えやしないかな? そんなことを考えながらぼくは自転車のペダルをこいだ。 ポチはというと猫らしい敏捷な動きで自転車よりも早く駆けていく。 「ポチ! どこまで行くんだよ」 「爺様山だ」 白い息を吐くぼくと、息1つの乱さぬポチ。 1人と1匹は、坂の上の小さな山を見つめる。 山の頂上、神社のあるあたりがぼんやりと明るくなっているように見える。 ぼくは、胸騒ぎを感じながら再びペダルをこぎ始めた。  
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