theater:1

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さすが、 崇を愛してやまない男、 NO.1のノリ。 (実際のところ本当にNo.1か どうかはわからないが・・) まっ白な肌が 真っ赤になるくらい、 ノリは興奮していた。 「なんやー藍もおったん。 お前もみたー?JUJUのリハ♪」 もちろん見ましたが。 さっきからここにいましたが。 これ以上ノリとJUJUの話を する度胸がないので。 はははーと笑うだけしといた。 「そや、これから時間あるー? 飯くいにいかんー?」 ひょこっとコウジが現れた。 ・・ずっとノリの横に いたらしいが。 ノリのハイテンションにより、 コウジに気がつかなかった、 リュウガと藍。 「あーいいっすね! 俺らも飯いこうかーって 話してて。」 リハ前だから1時間くらい前に だけどねー。 と、藍は心の中で呟いてみた。 「お、ええね。腹減ったし。 ・・俺らはええけど、 藍はええの?」 ノリが藍のほうを ちらちら目ぐばせしながら、 そんなことを尋ねた。 ん? どういう意味? 「え?大丈夫ですよ、仕事は 今日もうないし・・。」 藍は笑顔でそう返す。 いやいや・・そうやなくて。 ノリが掌をおでこにあてた。 ん? リュウガもコウジも ノリが何を言いたいのか わからない。 「えっと・・今日 仕事もうないんよな?」 はい、 藍は不思議そうに答える。 「・・久しぶりやろ、 こんな早い時間に 仕事おわんの。」 ・・言われてみればそうかも。 武道館ライブが終わって。 約1カ月弱。 このSummer Rock Festivalを 含めた野外の夏フェス2つの打ち合わせ、 秋口からのリリース予定と ライブ内容、 ファンクラブイベントの ミーティングなど。 忙しくって忙しくって。 こうやってリュウガと ゆっくり話すことさえ 久しぶりだった。 「あんな、貴重な時間やろ? 一緒に・・すごせよ。」 一緒に? 誰と? 「・・誰とですか?」 そんな藍の言葉に。 ノリは目を見開いて驚いた。 さっきまで、崇、崇って 連呼していた人とは 別人みたい。
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