theater:1

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ぷるるるるー ぷるるるるー 受話器の向こう側。 無機質な電子音。 ・・どきどきどき。。 心臓が・・ああ、もう。 緊張してしょうがない。 がちゃ。 あああ!! 「・・もしもし?」 低い声が耳元で鳴る。 落ち着いていてでも。 どこか不機嫌な気がした。 「あ、アキさん・・ 今大丈夫?」 忙しかったかな? 迷惑だったかな? 藍の心のなかは・・ ぐちゃぐちゃになる。 「あ、大丈夫だよ? なした?」 短い言葉。 やっぱ忙しいんじゃない? 「・・いや・・あの。 大したことじゃ なかったんだけど・・ アキさん、今・・。」 「あ、今? ユーサと楽器屋にきてる。 んで、今からメンテナンスして もらってる武田さんと 飯いこうかーって 移動するとこ。」 ・・。 「あ、そうなんだ! 忙しいとこごめんなさい!」 「でさ、用事って何さ。」 「えっと・・いいの! ごめん!じゃあまたね。」 ちょ・・ 受話器越しでアキヒデが 何か言いかけた気がしたけれど・・ 藍は夢中になって 電話をきった。 ご飯・・かぁ。 電話しなきゃよかった。 迷惑って思われてたら どうしよう・・。 藍はとぼとぼと・・ リュウガ達がいる場所へ戻った。 「あー藍、早かったな。 あっきーなんて?」 ノリが最初に口を開く。 「・・アキさん、 もうご飯行くとこらしくって。 なんか申し訳なかったので、 言いませんでした。」 藍はそういって 精一杯明るくふるまった。 あ・・。 3人ともそんな顔をする。 あんまいい空気じゃない。 「まぁ・・仕方がないよね。 そう言う時もあるさ(笑) じゃー飯行こう、飯。 何食います?」 リュウガが 藍の様子をみかねて 明るく提案する。 リュウガの優しさ。 ああ、さすが・・親友! 「そうやね。 まぁ気を取りなして 俺らで飯行こうっか。」 「俺、すし食いたい。」 「いいねぇー。」 そういうやりとりを交わして。 一行は・・すし屋にむかった。 アキヒデのことは一切触れず。 4人でわいわい楽しんだ。
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