theater:1

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飛び上がるような爆音が 天高くまで響く。 中央奥にいるのは パフォーマンスは 派手ではないが 複雑かつ力強い音を 叩き鳴らすドラマー。 下手側には どこか俯きがちなベース。 足元ばかりを見ているが ドラムと絡み合う しっかりとした重低音。 ドラムと繋がっているように 意気投合している。 さらに上手側には 煙草をくわえたままどこか けだるそうなギター。 足元の照明や器材を 確認しつつも、ソロでは・・ 豪快に弾き鳴らす。 そして・・ボーカル。 花道を確認するように 歩きながら・・軽く声を だしているのだけれど。 甘い甘い・・そして力強い。 どうしてそんな声をだせるの? そう・・思わず聞きたくなる。 誰もを魅了する・・ 彼ら。 小柄なその体がひょいっと 軽く飛び上がり、 メインステージに戻った。 マイクスタンドに マイクをかけ、 彼は話し始めた。 何を話すのか? 目を・・そらせなくなる。
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