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彼らは三王一神(サンオウイッシン)と呼ばれる存在であり、大国でさえその一体でも牙を向けられたのなら三日と経たずに滅ぼされてしまう。
そして、三王一神と言わずとも魔物という存在のポテンシャルは高い。
だからこそ、ランクが低い魔物でも油断してはいけないのだ。
彼らが倒された、低級に位置する蜘蛛型低級魔物でさえそれは計り知れないのだ。
彼らは僅かな油断はあった。
だが、それ以上に彼らは運が悪かった。
通常のフォウレスなら・・・・彼らなら一撃で屠っていただろう。
しかし、先日までは確かに通常のフォウレスがいたのだが・・・・彼らがギルドから指令を受け、アルフォト森林に向かっている際にマジックキャンセルを持ったフォウレスMCが通常のフォウレスを捕食していたのだ。
その結果、フォウレスではなくランクCのフォウレスMCがいたのだ。
「・・・・くそっ・・・・外れないっ!」
レオは必死に全身に巻きつれられた鋼糸を解こうもがいていた。
鋼糸は名の如く・・・・強度はワイヤより高く、まるで鋼のようだ。
とてもじゃないが暴れた程度では外れない。
鋼糸を断つ事ができる魔法もマジックキャンセルにより、魔力を拡散させられ発動ができない。
「ウォォォンッッ・・・・!!」
フォウレスMCの8メートルに及ぶ巨体が前脚を器用に使い、先に捕えていた狼型低級魔物を口に運びバキバキと音をたてて喰らう。
ウルフは断末魔の雄叫びを上げた。
それを最後に彼らの周りに糸で8体の魔物が拘束されていたが、その全てが食されたことになる。
そして、フォウレスMCは四ツ目を彼らに向ける。
―――次はお前たちだ、と。
フォウレスMCは口腔から涎を零しながら、ゆったりと地を揺らし近づいて来る。
「いやぁぁぁぁっ!!」
フォウレスMCが口から吐き出された鋼糸に絡みとられ、ゆっくりと・・・・恐怖感を煽るように引き寄せる。
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