観覧車

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「プレゼント……」 一言そういうと爽やかな笑みを浮かべていた。  「そんな悪いから……うちが買いますよ」 その言葉に一瞬せつなげな表情をうかべたら、今度はすこし怒ったような顔を作り私をしかりつけた。 「こういう時は黙ってかって貰うのが正解だよ」 そしてそのままレジに向かっていった……私はその後についてゆきながら、寛人さんの背中を見つめた。 大きく逞しさを感じるその背中。 すぐにでも、身を委ねたくなる衝動を押さえる。 底から沸いてくる愛しさと、意地悪な思い。 形容しがたい感情がとぐろをまいていた。 「はい」 小さな紙袋を手渡されて、胸がいっぱいになった。 「有難うございました……でもそんな形に残るもの渡されたらウチ、ちゃんと失恋できひんかもわかりませんよ?」 自分でもなにをいってるのか、わからなくなっていた。 寛人さんを困らせたくなんてないのに。 「……でようか」 真剣な表情で、私の手をとりそとに連れ出された。
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