晴天の霹靂

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今日も新規ルート開拓のため営業へと向った。 朝から何件も断られた、しかし諦めずにしらみ潰しに足を運ぶ、自分にこんなにバイタリティーがあったのか。 なんて少し驚いていた。 ただ、若い時と違い運動不足なのか自分の足が棒のように重く感じる。 自販機でお気に入りのコーヒーをかい、休憩できそうな公園を探した。 若い頃はよくベンチで書類を広げて営業の練習をしたもんだ。 暫く歩いていると手頃な公園をみつけた。 敷地が広く、遊具も充実している。 子供達の声や緑の香りが心地よくて思わず深呼吸をした。 近くのベンチに座り、缶コーヒーをあけた。 そして少しぬるくなったコーヒーを口に含む。 穏やかな時間を味わいながら、子供達の幸せそうな姿をぼんやりと眺めていた。 「あの……すみません!」 女性の声が後ろから聞こえて、振り返った。
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