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私は一面の銀世界というものを見たことがなかった。 テレビで視界が雪で埋め尽くされる光景を見たことはあるが、それが『銀』世界とはどうしても思えないでいた。 雪は、誰がなんと言おうが白だ。 そんな理屈は、今日、ここで、一瞬にしてかき消された。 広々とした大自然という空間はあまりにも開放的で、青々と晴れた空がどこまでも広がっている。 視界を埋め尽くす雪は、電波に乗せずに直接見るだけで、確かに銀色に輝いていた。 だけど、 「ここ…………どこ?」 目が覚めた瞬間に見ると、その色は絶望しか生まないことは、出来れば一生知りたくなかった。
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