ねぇ、螺旋の夜を過ごしましょう

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アフターで行くのは、大半がカラオケ。 その他は寿司屋か居酒屋でちびちび飲むくらいの、上流キャバ嬢とは言えないものだった。 優子はそれで満足していたし、まさかこうなるだなんて考えてもいなかった。 高橋と並んで、ホテルに入るだなんて。 「優子」 名前を呼びはするものの、ホテルまで入った今でも「愛してる」とは決して口にはしない。 優子は身体のずっと奥の方の、深い深いところが痛み続けていた。 いっそえぐり出してしまえれば、どれだけ楽になれるだろう。 高橋から離れるための言い訳として“view”を使ったというのに、また高橋と会うためにシゴトをしている。 この巡り合わせには、不幸を感じずにはいられない。
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