ねぇ、螺旋の夜を過ごしましょう

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浮かんだのは、舞衣の顔だった。 普通の人に連絡を取る時間ではないが、彼女なら起きているだろうと見当をつけた。 「もしもし、あの、舞衣?私、ユイカですけど……」 「あ、ユイカさん、こんばんはー」 案の定、3コールで相手は出た。 「あの、えっと……」 何をどう言えばいいのか、迷ってしまった。 口ごもっていると、舞衣の口調も慎重なものに変わる。 「ユイカさん、今どこですか?」 「あ、自分ん家」 「じゃあ、私ん家で話しませんか?丁度、暇してたんですよぉ。住所は知ってますよね?あ、タクシー呼んでくださいよ、物騒ですから」
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