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車は彼女に当たる直前に反れたが衝撃で彼女は飛ばされ、地面に体をぶつけた。
もちろんすぐに俺は救急車を呼んだ。
彼女に駆け寄った。
するとぽつりぽつり雨が降ってきて俺と、彼女の体を濡らす。
彼女の服が赤くにじんできた。
鉄のにおいがする。
救急車で運ばれて、そして、俺はいまここにいる。
俺の服や髪はまだ乾いてはいない。
今も彼女――カオリの笑顔が頭から離れない。
ランプが消えて先生が出てくる。
「先生、カオリは大丈夫何ですか」
俺の声はひどく動揺していたと思う。
「残念ですが……」
後は何も言わない。
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