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その男は逃げていた…
自分が何から逃げているのかもわからずに、ただ止まれば死ぬという恐怖が頭の中を支配していた。
暗い夜の森の中、転ばないように細心の注意を払い走りつつ男はここ数時間の記憶が無い事に気付き必死に思い出そうとした。
そうしている間に木々の数が減り、やがて建物の光がちらほら見えてきた。
と、同時に先程までの恐怖感は薄れ男はようやく安堵し、立ち止まった。
走り続けて上がりきってしまった呼吸を深呼吸し整え、男はある事を思い出した。
「っ!しまった…早くあいつの所に戻らないと…!」
そう言いつつ来た道を見ようと振り返った男の前に突然!…
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