悩む彼女。

2/2
前へ
/8ページ
次へ
「斉藤の奥さん、人魚だったらしいよ」 パンを飲み込んでから、一言。 彼女の反応を伺うように言ってみた。 「人魚?ああ、馬鹿馬鹿しい」 予想通りな一言。 「奥さん本人も最近まで自覚はなかった、とか言ってたな。初めて海に行って、海水に触れた途端尾ビレが…………もしかしたら、気付いてないだけで君もそうなんじゃない?」 明らかに彼女は動揺していた。 『馬鹿らしい』がいつまで待っても聞こえなかった。 「………そ、そんな事ないわよ、うん」 人間と僕たちは、実は結構前から交流していたらしい。 特定の条件下でのみ妖怪化したり、人間化する半妖や半人ってのもそれなりに居るんだとか。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加