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「斉藤の奥さん、人魚だったらしいよ」
パンを飲み込んでから、一言。
彼女の反応を伺うように言ってみた。
「人魚?ああ、馬鹿馬鹿しい」
予想通りな一言。
「奥さん本人も最近まで自覚はなかった、とか言ってたな。初めて海に行って、海水に触れた途端尾ビレが…………もしかしたら、気付いてないだけで君もそうなんじゃない?」
明らかに彼女は動揺していた。
『馬鹿らしい』がいつまで待っても聞こえなかった。
「………そ、そんな事ないわよ、うん」
人間と僕たちは、実は結構前から交流していたらしい。
特定の条件下でのみ妖怪化したり、人間化する半妖や半人ってのもそれなりに居るんだとか。
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