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少年は、手のひらに握った2つのガラス玉を覗いた。
(天華は[ハリウッド女優]、弥生は[世界的バレー選手]…か)
そして1つ、大きなため息をついた。
(最近の人間の夢は大きすぎる。だから…最近の人間は死なない…)
少年は、リストの最後の名前の人物を探し、とある大きな病院にたどり着いた。
(やっと見つけた。…最後の1人…)
少年は壁を通り抜けて病室に侵入した。
そこには1人の17、8の少年がベットに座り、本を読んでいた。
(コイツが[空野昊ソラノコウ]…)
昊はじっと本の活字を目で追っている。
(何だ。病院にいるっていうから死にそうなじいちゃんかと思ったら…ただの病弱なガキか。まぁいいや。)
少年は鎌の峰を昊の首に当てた。
(さっさと狩ってしまおう)
「冷たっ!!」
すると昊は突然声をあげた。
「何だよいきなり!!入って来るならノックぐらいしろよ!!これ常識」
昊はしっかり少年を睨んで言った。
「…ぇ」
(いやいや…まさかそんな筈は…)
「ぇ、じゃねぇよ。てか誰だ、お前?なにその格好?羽?今外じゃそんなのが流行ってんの?」
(見られてるー!?)
普通ならば夢狩の姿は見えない…その筈だった。
「見えてるのか?」
「…何言ってんの?」
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